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新型コロナウイルスと診療報酬改定の影響を紐解く(第3回)
前回の記事では「2020年度診療報酬改定」のポイントと2022年度以降の改定が厳しくなることことをお伝えしました。今後、本格的に薬局の淘汰が進むことが予想されます。それではどのような薬局が淘汰されていくでしょうか?
まず、淘汰の中身ですが、「かかりつけ薬局の再編」で経営に最も大きな影響を受ける薬局は、病院・診療所の門前薬局と敷地内薬局です。これらの薬局が「かかりつけ薬局」や「専門医療機関連携薬局」に転換できないと、いずれは閉店やM&Aなどの経営判断を強いられることになります。薬局に勤務する薬剤師も早期に「調剤業務」から脱却して「対人業務」へ仕事を転換すべきでしょう。
在宅医療やプライマリケアに積極的に取り組み、薬剤師として薬学的知識を活かして、患者さんを支援し、医師やコメディカルとの情報のフィードバックを積極的に行ってほしいですね。
薬学生や若い薬剤師が就職先や転職先を選定する際には、個店でも、チェーン薬局でも、「かかりつけ薬局」として「対人業務」に転換しているかどうかを良く見極めることが必要です。既に積極的に転換していれば、就職先や転職先の候補になりますが、経営が何の対策も打っていなかったら、「見切る薬局」の候補になるでしょう。当方は以下のような薬局は生き残る可能性が低いと考えているので参考にしてください。
① 前年度に比較して毎年処方箋枚数が減少している薬局
開局時には門前薬局だったとしても、それ以降にかかりつけ薬局としての取組みがなされていないと、主の処方箋発行医療機関の患者数減少、地域の高齢化と人口減少、競合ドラッグストアの出店などの要因で徐々に処方箋枚数は減少していく。
② 処方箋の集中率が変わっていない薬局
診療報酬上、集中率が高い薬局はかかりつけ薬局ではない薬局と判断される。集中率の高いままの門前薬局は、徐々に技術料の取得が低下して、経営が厳しくなっていく。
③ 薬剤師がピッキング業務をしている薬局
0402通知で、対物業務の一部を薬剤師以外のスタッフに移行することが、公的に示されたが、未だにピッキング業務は薬剤師の仕事として認識している薬剤師が多い。早期に「対物業務」を「対人業務」に移行できないと生き残りは難しい。
今後ますます薬局の真価が問われていくでしょう。薬剤師にとっても、生き残っていくためには自社の経営方針についても目を向けるきっかけにしてください。次回は【オンライン診療「0410事務連絡」の衝撃】をテーマにお伝えします。