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令和4年度調剤報酬改定について
令和4年の調剤報酬改定は今までの改定とは異なり、大きな変化のある改定となりました。改定の方向性としては、薬局薬剤師の対物中心から対人中心への転換の推進、ヘルスケアのD X化の推奨になります。
主な変更点としては
・地域支援体制加算が4段階に変化
・リフィル処方箋の導入
・オンライン服薬指導の推奨
などが挙げられます。
地域支援体制加算が4段階に変化
地域支援体制加算はこれまでは1段階の評価だったが、今回の改定から4段階になりました。これはそれぞれの薬局が地域医療にどれだけ貢献しているかを評価するような項目が算定要件になっています。この地域支援体制加算では、これまでどのような姿勢で薬局が業務をおこなってきたか問われるポイントです。来局された患者さんの処方箋を漫然と対物業務として行っていた薬局は取得するのが難しい要件になっており、逆に地域に根ざした形で患者さんや医療に対人業務として、携わってきた薬局は今回の改定で地域支援体制加算を取得できる内容となっています。今後の方向性としては対人業務かつ地域に根ざすことは国の要求になるので、薬局においては必須のポイントになるでしょう。
リフィル処方箋の導入
この改定については前もっての話はあまりなく、突然に近い形で改定の内容に入ってきました。こちらも想定されるメリット、デメリットはいくつかあり、メリットとしては、体調の変化が少なく症状が安定している方は薬をもらうためだけの受診をすることを回避することができ、患者さんの時間的、金銭的負担軽減ができます。また医師の業務負担も軽減できるでしょう。また、受診回数が減ることにより、患者さんの医療費負担が減ることはもちろんですが、国全体としての医療費削減にも繋がるでしょう。特に昨今では医療費は大きな歳出項目になっているので注目していく必要があります。デメリットとしては、医師の診察がなくても薬を処方されることになるため症状の変化に気付きにくく、健康被害に繋がる可能性があります。このようなことを防ぐためには薬剤師が経過を把握し、必要であれば、受診勧奨や医師へトレーシングレポートなどの報告を行う必要があります。これこそまさに地域に密着した薬局薬剤師の対人業務になります。一方、病院側の経営面から見れば、患者さんの受診回数が減ることで、収入の減少に繋がるためリフィル導入に消極的な面があるかもしれません。そして現段階では実際の現場ではまだまだリフィル処方箋の数は少ないように聞いています。これからリフィル処方箋がどのような推移を辿るかは注目ですね。
オンライン服薬指導の推奨
オンライン服薬指導は0410通知からの流れも引き継ぎ国は積極的に進めていきたいという姿勢が感じられます。Society 5.0の部分でも述べられていますが、ヘルスケアの部分ではまだまだD Xの部分が遅れており、それを進める一環として積極的なオンライン診療、オンライン服薬指導を推し進めています。今回改定では、オンラインに関する点数の項目も増加しています。
以上のように、今回の改定では大きな変化があり、薬局にとっては非常に大きな転換点であったと思われます。特に「薬局業務の対物から対人への推奨」、「ヘルスケアのD Xの推奨」今後の改訂のキーになる内容でした。調剤報酬改定は薬局の存在意義を示すものとして今後も注目していきましょう。