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2023年1月26日から電子処方箋がスタート
いよいよ2023年がスタートしました。2023年もまだまだコロナ渦が続くことが予想されますが、2023年がみなさんにとっても健康で公私充実した1年になることを願っています。
昨年を振り返ると、2022年は日本の「withコロナ」がある程度定着した年だったのではないかと思います。全国で地域差はあるものの、旅行業や飲食業などが回復傾向にあり、海外からの入国規制も緩和したことにより経済も活気を取り戻しつつあるのではないでしょうか。薬局業界においても、患者の受診控えが和らぎ、薬局の処方箋枚数が戻りつつあるという声も聞きます。2023年はより「withコロナ」を意識し攻守バランスよく活動していきたいものです。
薬局業界で2023年から新しくスタートする取り組みといえば「電子処方箋」が挙げられます。電子処方箋は2022年に先行してモデル地域の薬局により運用が開始されていましたが、改めて厚労省より電子処方箋の全国運用が2023年1月26日(木)からスタートすることが発表されました。
電子処方箋とは
電子処方箋とは、これまで紙で発行していた処方箋を電子化したものです。患者が電子処方箋を選択し、医師・歯科医師・薬剤師が患者さんのお薬情報を参照することに対して、同意をすることで、複数の医療機関・薬局をまたがる過去のお薬情報にもとづいた医療を受けられるようになります。結果として、今まで以上に安心してお薬を受け取ることが可能となります。
電子処方箋のメリット
患者のメリット
・複数の医療機関・薬局をまたがる過去のお薬情報を医師・薬剤師と共有することができる。そうすることで、同じ成分のお薬をもらうこと(重複投薬)や良くないお薬の飲み合わせを防ぐことができ、安心安全な医療に繋がる。
・電子処方箋を利用する際、マイナンバーカードを健康保険証として使うことで、マイナポータルから特定健診情報や薬剤情報・医療費を確認できたり、確定申告の医療費控除が簡単にできたりととっても利便性が向上します。
薬局のメリット
・患者さんの直近の処方・調剤情報を確認することができ、リアルタイムでの医療機関との情報連携も可能となるので、質の高い調剤業務が期待できる。
・調剤結果や処方医への伝達事項を電子処方箋管理サービス経由で簡単に伝達が可能
・電子処方箋管理サービスから処方箋をデータとして受け取ることで、 システムへの入力作業等の作業を削減し、事務の効率化が期待。紙の調剤済み処方箋のファイリング作業、保管スペースを削減が可能
電子処方箋の導入・運用にはハードルも
電子処方箋のモデル事業に参加する薬局では、処方箋が紙と電子が混在することでかえって煩雑になるというケースも発生しています。そのために業務フローやルールを整理しなければいけません。厚労省は電子処方箋の運用開始後も患者が紙か電子を選べる制度設計にしているため、紙がなくなることは考えにくいことが見込まれます。完全ペーパーレスにならなければ、薬局のメリットは半減するでしょう。電子処方箋運用後も紙に関連した業務が減ることはなさそうです。アナログからデジタルに変革する過程においてはどの分野においてもハードルは生じます。そのハードルを乗り越えた先に受けられる恩恵があるでしょう。
2023年の薬局業界のキーワード
2023年以降は、今回取り上げた「電子処方箋」以外にも「薬局DX」「データヘルス改革」「電子処方箋」「24年 調剤 / 介護報酬 ダブル改定」「Amazon薬局」など様々なキーワードが目白押しです。時代に変遷に適応しながら、先見の目をもって2023年も薬局業界に注目していきましょう。